尾道に、深夜に開店する古書店があるらしい。
この本はそんな稀有な古書店「弐拾db(にじゅうでしべる)」というその店の店主が書いた、随筆集です。
著者は所謂文学青年で、詩をこよなく愛し、この本にもあちらこちらに詩や、詩人が登場します。今まで私があまり読まなかったタイプの本。
私は純文学や古典の世界にはまることなく、ただ好きなようにその時その時に目についた本を読んできた人なので、難しいことは分からないけれど、この随筆集の持つ雰囲気はとても好きです。
よく考えたら、そもそも随筆って、学校でしか読んだことがない。
古本屋で起こる出来事を、著者の思いを、日記の形で記しているこの本は、噛みしめて読むからこそわかる味のようなものがあって、とても好きです。
素早く目を通すための本ではない、そっと一人で夜に読む、そんな一冊。
急になにか詩集が欲しくなった。
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