先日読んだ『汝、星のごとく』がとても印象に残ったので、同じ凪良ゆうさんが書かれてベストセラーとなっている『流浪の月』を手に取りました。
親に見捨てられた少女、彼女に居場所をくれた青年。温かで不思議な関係は事件により突然終わりを迎える。そして時を経て出会った二人の、恋でもなく愛でもない関係を、常識や世間は容赦なく責め立てる。世界中が共感してくれなくても、それでもそばにいたいという気持ちを、精緻な描写で描いた作品でした。
多分この文章だけでは、なんのお話かさっぱりだと思うのですが、詳しい設定を書くとそれだけでネタバレになってしまいそうなので、自粛します。
これこそ常識、といわれるものに真っ向から牙をむいた意欲的な作品だと思います。一方で少し設定が浮世離れしている点があるので、個人的には『汝、星のごとく』の方がストンと腹落ちし、素直に感動できる作品だったなと思います。でも読ませる筆の力はすごかった。面白い作品だと思います。
そういえば、『汝、星のごとく』は特別装丁版が紀伊國屋限定で発売されています。すごく気になっています。
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