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息を飲む、大人の純愛/二人の嘘

和書レビュー
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二人の嘘/一雫ライオン

 

ジャンルヒューマンドラマ
オススメ度5.0

長いこと読書を趣味にしていると、物語の多少の起伏ではあまり心が動かなくなってしまったり、結末を予想できてしまったりしますが、今回、久々に自分の読むスピードがもどかしくなるくらい、息を飲む物語に出会いました。

一時期話題になった一冊なので、読んだ人も多いかもしれません。一雫ライオンさんの「二人の嘘」。エリート裁判官の女性と、彼女が過去に扱った事件の加害者とのお話。この設定でどうやって純愛するの?と思いながら読み始めたのですが、2人の社会的距離をグイグイ引き寄せていく著者の腕に驚愕、物語に引き込まれ読み終わった後は放心状態になりました。すごい。すごい物を読んでしまった、と唸らされました。

<あらすじ>
女性判事・片陵礼子の経歴には微塵の汚点もなかった。最高裁判事への道が拓けてもいた。そんな彼女はある男が気になって仕方ない。かつて彼女が懲役刑に処した元服役囚。近頃、裁判所の前に佇んでいるのだという。違和感を覚えた礼子は調べ始める。それによって二人の人生が宿命のように交錯することになるとも知らずに……。感涙のミステリー。

今年、これは…!と思う本を色々読みましたが、「二人の嘘」はそれらを一気に飛び越えていきました。文句なしで一番面白かった(まだ今年終わっていないけれど)

オススメ本ある?と聞かれたら、この本を即答すると思います。それくらいすごい。小説ってあまり再読しないのですが、この本は私の人生で何度か読みたくなるだろうなと確信しています。

542ページという長編ですが、もたつくことなくグイグイ読み進められるお話なので是非沢山の方に読んでほしいです。

 

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