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青空と逃げる 辻村 深月 感想

和書レビュー
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こんばんは。
年末から読んでいた辻村 深月さんの「青空と逃げる」を読み終わりました。

青空と逃げる / 辻村 深月

夫が巻き込まれた交通事故がきっかけで、突然、小学5年生の息子を連れて東京から地方に逃げることになった女性のお話。住所を持たず各地を転々とする親子は、行く先々で様々な困難に出会います。そして事故から回復したものの、行方をくらます夫。一体どこに行ってしまったのか、そしてそもそもの発端の事故はなぜ起こったのか。物語は、母親と息子の両方の目線で交互に描かれるのですが、親ならではの葛藤、子供ならではの葛藤がうまく描かれていました。

行く先々の地方の情景が活き活きとつぶさに描写されていて、物語に出てくる土地に行ったことがない私も、場面場面を容易に想像できました。これは著者の筆のうまさですね。

なぜ逃げているのか、どうしてそうなったのか、謎が少しずつ明らかになっていく過程はとても楽しめました。旅を通して親も子も成長していく様が、物語の面白さ以上に訴えかけてくるものがあります。

一方で、読了しても残った謎もあり(結局なんでキッカケとなる事故が起こったのか、等)、面白かったのですが、スッキリと感動して終わるところまではいかなかったので、★3.8で。

意外にもこれが私に取って初の辻村作品でした。他の作品も読んでみたいです。
「朝が来る」なんかは表紙とあらすじを読んだだけで泣きそうになります。母になってからどうも小さな子供が出てくる物語への、涙腺の耐性がなくなってしまい困っています。

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