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Billy Summers / Stephen King

洋書レビュー
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おすすめ度4.5

夏休み中、子供たちが読書に励む中、私も何か1本長編を読みたいなということで、初めてスティーブン・キング先生の本を手に取りました。スティーブン・キングといえばホラー物が有名ですが、Billy Summersはホラーではないキング作品。怖いのはダメという私も安心して読むことができました。洋書で589ページにも及ぶ長編、私にとってはチャレンジングな本でしたが、途中からはページ数を確認することも忘れて読みふけりました。

<あらすじ>
ビリー・サマーズ は、元イラク戦争の狙撃兵で、現在は「悪人しか殺さない」ことを信条とする殺し屋。
ある日、彼は引退前の最後の仕事として大きな依頼を受ける。ターゲットは裁判に出廷予定の殺人犯。仕事が終われば巨額の報酬が得られるはずでした。ビリーは任務を遂行するために偽名で小さな町に住み込み、作家を装って「小説執筆」に取り組むことになります。その過程で彼は自身の過去や戦争体験と向き合い、徐々に「ただの殺し屋」以上の人物へと変わっていきます。善悪の境界に立つ主人公が、小説執筆を通して過去と向き合い、そして裏切りと新たな出会いを経てどう変わっていくのか…

あまり詳しいあらすじを紹介してしまうと、それだけでネタバレになってしまうので、これくらいで止めておきます。序盤はなかなか物語が進まないうえに、登場人物も多いので、本当に評判ほど面白いのか?と思いましたが、新たな出会いが描かれるあたりから急激に面白くなり、最後は涙を抑えきれませんでした。長くて最初は躊躇したけれど読んでよかったと思います。いつか答え合わせもかねて邦訳版も読んでみたいです。

ちなみに…登場人物が多すぎて途中でわけが分からなくなってきた私は、Billy Summersの登場人物をまとめてくれたサイトをお供に読みました。(First Name のイニシャルが一緒の人が出てくると、途端に誰が誰だか分からなくなっちゃう)
登場人物の名前が分からなくなったら、上記リンク先を活用してみてください(笑)

最初は引退する予定のスナイパーの最後の仕事の話だと思って淡々と読んでいたんですが、途中から映画「レオン」を彷彿とさせる展開になり、断然面白くなりました。Aliceは21歳、Billyは40代?ストックホルム症候群なのか、ビリーに好意を寄せるAliceと踏みとどまるBilly…最後は二人で(Buckyと三人で?)幸せになったところを見たかった…というのが本当のところだけれど、善悪に揺れる主人公、そして小児性愛症の変人と戦ったBillyを、成人しているとはいえAliceとくっつけることはできなかったんだろうな…と思います。でも二人の間にある絆は性とか年齢を超えて本物だったと私は思いたい。

そして自伝を書く主人公と、それを完成させるAlice、『書くこと』はただ『文字を並べることじゃない』ということは、沢山の物語を紡いできたスティーブンキングからの強いメッセージだと感じました。物語の中で最後、Billyを生かし続ける結末を書いたAliceの気持ちも痛いほどわかる…

いい小説でした。

読み終わった後、いろんな人の感想が見たいと思ってBilly Summersで検索したら、本当にたくさんの感想が英語で出てきて。非常に興味深く読みました。こうして世界中の人の感想が読めるのも、洋書ならではの楽しみだなと思います。

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