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以前読了し、ブログでもご紹介したProject Hail Mary。同じAndy Weirの著作でProject~より前に出版されたThe Martian(邦訳版:火星の人)を読み終わりました。Project~と同じく宇宙が舞台のSFですが、こちらはアクシデントで火星に一人残されてしまった、宇宙飛行士のお話。
英語でSFって難しいそう…と思いがちですが、Andy Weirさんの作品のすごいところは、科学オンチにもわかるよう分かりやすく事象を説明してくれるとこと。途中で見慣れない科学用語が出てきても、置いてけぼりにならずにきちんとお話に入り込めるようになっています。
そして今作の特徴は、何といっても主人公のポジティブさ!
火星に一人で残されて、地球との通信手段もなく、残された食料は限りがある。そんな状況でもひたすら前向きに生き残るためにできることをコツコツとやっていきます。まさかSFで畑づくりの描写さを読むことになるとは思わなかった…!空気もない、微生物もいない、肥料もない、そんな状況でどうやって畑づくりをするのか、想像できます?
一歩外には宇宙空間が広がり、毎日すぐそこに死の危険があるわけですが、主人公がありとあらゆる危機をかいくぐっていく様子はもうアッパレの一言に尽きます。そして主人公をサポートするNASAに突き付けられる難しい状況と判断は、息を飲むものがありました。途中で一大危機がおとずれ、とある国が援助を申し出る部分では、思わず読んでいた手を止め「そうきたかー!」と拍手。また、物語の終盤に、仲間の宇宙飛行士が直面する究極の選択には呆然としました。宇宙飛行士になるってこういうことなのかとこの小説を通して感じることができました。
ハラハラし、とても面白い本でした。私にとっては同じ著者のProject Hail Maryの方が、ワクワク度(アドベンチャー度)が高く個人的に好みだったので★4つの評価としましたが、読んでよかった1冊です。
このThe Martianは「オデッセイ」というタイトルで映画化もされています。映画もとても面白いそうなので近々見たいと思っています。多分この方の小説は映像向きだと思います。またProject Hail Maryはライアン・ゴズリング主演で2026年3月にアメリカで映画が公開されることが決まっているので、そちらも楽しみです。

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