ONE MURDER. FIFTEEN SUSPECTS. CAN YOU UNCOVER THE TRUTH?
1件の殺人と15人の容疑者。あなたは真実を見破れるか?
カバーのこの殺し文句(?)が気になって手に取ったThe Appeal、読み終わりました。非常に面白かったです。
~あらすじ~
お話の舞台はイギリスのとある町。閉鎖的な地域で、住民同士の結束が強い一方、”よそ者”に対する警戒心が強い土地です。そこにアフリカから来た1組の看護師夫婦が加わります。町ではある富裕層の家族が、アマチュア劇団を主宰しており、その看護師夫婦も町に溶け込むため劇団に加入することに。
時を同じくして、その富裕層家庭の子供が脳腫瘍になり、治療に必要なイギリスではまだ未承認の薬をアメリカから取り寄せるために、クラウドファンディングが立ち上がります。莫大な金額を目標に、町民が寄付イベントを多数開催、ようやく目標に手が届き順調かと思われた矢先、集めた寄付金がゴッソリとなくなり…。
この本のすごいところは、すべて住民同士の「テキストメッセージ」と「メール」「メモ」で構成されていて、状況の説明や登場人物の人となりなどの説明が一切ないところ。読者はメールを読みながら、人間関係やバックグラウンドを想像しながら、怪しい人物に目星をつけていくことになります。
どの登場人物も、こういう人いるいる、と思わせるリアルさ。且つ、なかなか起こらない殺人事件に(本の60%超えて初めて誰かが殺されます)、「誰が殺されるんだ?」と思いながら読み進めることになります。それでも冗長さを感じさせないところがすごい。
メール文なので、英語のレベルとしてはそれほど難しくありません。440ページを超える厚みの本なのですが、続きが気になってどんどん進めてしまう、中毒性のある1冊です。
英語でミステリー小説を読むのが初めての私も、あっという間にお話に引き込まれ、一気に読みました。いやー面白かった!
これから読まれる方には、Kindle版ではなく紙書籍をおすすめします。
過去のやり取りを振り返ることが多いことと、読みながら「不自然だ」と思う点に付箋を付けたりすることになるので、振り返りをしやすい紙本を推します。おすすめ!
追記:2022年5月に邦訳版が出版されました。英語は苦手という方は、邦訳版で是非♪
コメント