昔から興味のないジャンルの本には一切触れることなく、40年以上生きてきたわけですが、その、私が今まで全く手に取らなかったジャンルの中に、歴史書というものがあります。
学生時代、歴史の授業は退屈以外の何物でもなかったし、自伝にしろ伝記にしろ、とにかく”歴史”が絡むものは古臭く、急に面白くなさそうに見えてしまう。というわけで、長いこと歴史書と言われるジャンルにはノータッチを貫いてきたのですが、ウクライナで今起こっている戦争についての記事を英語や日本語で読む中で、ヨーロッパの国々とロシアの関係について都度湧いてくる疑問を解くためには、歴史を回避できないなと感じました。
高校生の頃、世界史を専攻していたのですが、正直全く覚えていないですし、今から世界史をやり直してもきっと興味のないところは興味のないままになってしまいそうだったので、自分が興味のある特定の時点について深堀りされた本を読んでみようと思ったのが、この「東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊」を手に取ったきっかけです。
この東欧革命という本は一度絶版になったのですが、2017年に新装版が刷られています。新版が欲しかったのですが、価格があまりにも高かったので、古書店で状態の良い旧版を買って読みました。中身はどうやら同じ模様。
『本書はハッピーエンドの物語である』、この冒頭で一気に引き付けられました。世界を睥睨した巨大な帝国・ソ連が、どのように崩壊していったのか。子供のころにベルリンの壁の崩壊のニュースや、ゴルバチョフ氏の姿をテレビで見たことはありましたが、そこに至るまでの経緯はあまりよく分かっていません。何ならヨーロッパの国々の位置関係もよく分かっていないので、巻頭に掲載された当時の地図を見ながら、ゆっくり読み進めていきます。登場人物が多すぎるので、なんと巻末には10ページにもわたる人物名索引も載っています。とにかくヨーロッパ(特にロシア系)の人物名が馴染みがなさ過ぎて、何度も索引にあたりました。
591ページもある辞書のような一冊でしたが、読み終わるころにはもう一度理解を深めるために読みたい!と思わせる引力のある一冊でした。そして、この本で少し触れられているような人物や史実を、他の本でもっと深堀りしたいと思いました。あああるほど、この沼感が、歴史ファンと言われる人たちが沢山いる所以なのか、と思った次第。
ヨーロッパ史の本を他にも読んでみたいと思うきっかけになりました。
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