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もっと早くに読めばよかった 海の見える理髪店/萩原 浩 感想

和書レビュー
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集英社の夏の一冊「ナツイチ」フェアで、”よまにゃマグネットしおり”が欲しくて買った、『海の見える理髪店』を読んだ。発売当初から読みたいなと、Amazonの欲しい物リストに入れていたんだけれど、直木賞を取ったというのを知ったのは夏の初め。

どうにも天邪鬼なところがあって、賞を取ったり世間の注目の一冊になると、急に読みたい気持ちがしぼむ。ということでこの本も御多分に漏れず買ってからしばらく寝かせていた。

ここのところ続いた長雨で、すっかり夏が鳴りを潜めているのを感じて、このままだと夏に読むはずが時期を逸してしまうなと思って、読み始めた。

 

海の見える理髪店 / 萩原 浩

読み終わって最初に感じたのは、もっと早くに読めばよかった、という軽い後悔。

へそ曲がりな自分を叱り飛ばしたい気持ちになった。
短編集ということで、過剰な期待はしないで読み始めたんだけれども、今まで読んだどの短編集より心に残る一冊になった。

私の中での短編集のイメージは、短編がそれぞれ最後に一つの物語になってつながるか、尻切れトンボで気持ちを置いて行かれて終わるか、の2択という印象だったんだけれど、『海の見える理髪店』はそのどちらでもなく、読者にこれから起こることを想起させつつ終わる。

登場人物は、どこか影を抱えていて、分かるなあ、と思っているうちに文章に引き込まれた。

 

タイトルと同じ「海の見える理髪店」には最初から心を持っていかれたし、「空は今日もスカイ」は2度読んだ。

読んでよかった。秀逸。

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