SFは普段そこまで読まないのですが、タイムトラベル物は好き。ちょっと面白いタイムトラベル本があるらしいとTwitterで知り、読み始めたのがGillian McAllisterのWrong Place Wrong Time。
<あらすじ>
Jenは弁護士として働く傍ら、18歳の息子Toddとフリーランスの塗装工のKellyと3人仲睦まじく暮らしていた。ところがあるハロウィンの夜、息子が家の目前で人を刺してしまう。見知らぬ被害者、警察に連行される息子、何故こんなことになったのか途方に暮れるJenがふと浅い眠りから目を覚ますと、なぜかそこは事件が起こる前の日だった。混乱するJenだが、その後も眠りから目を覚ますと、どんどん過去に戻っていることに気が付く。どうすればこの時間の迷路から脱出できるのか、出口が見つからないまま、再再生される毎日を遡っていくうちに、家族の中で見過ごされてきた秘密、そして”1回目”には見過ごしていた事実に気が付く。決して未来には行けない、過去にしか戻れない状況でJenは息子が起こす予定の殺人事件を止めることができるのか。
すごく、面白かったです。
4.5★
タイムトラベル物で、何度も何度も過去に戻っていくお話は初めて読みましたが、前に(未来に)進めないってすごくしんどいなと思いました。そして、家族の秘密がこれでもかと出てきて、Jenがこんな事したら未来が全然変わってしまうんじゃないか、というハラハラ感。最後、どうやってオチつけるのか心配になりましたが、きちんと締めくくってくれました。
そして良いタイムトラベル本って、読み終わった後、もう一度答え合わせのために読みたくなるんですよね。この本も御多分に漏れず、もう一回読みたい!と思わせる一冊でした。
タイムトラベル物は、何故タイムトラベルが起こったか掘り下げて欲しい読者の方もいるかと思うのですが、そういう科学的な根拠や原理みたいなものはこの本では明らかにされていません。シンプルに起こってしまったタイムトラベルに対して、主人公が何とかしようと奮闘するストーリーですが、私は純粋に楽しめました。
SFというよりも、スリラーに分類していいんじゃないかと思います。SF苦手だわという方にも自信をもってオススメできる一冊。是非。
タイムトラベル物、と言えば、「夏への扉」もおススメです。古典名作と言われる結構昔の本なのですが、今でも全然違和感なく読める一冊。私は翻訳本で読みました。
いつか原文でも読んでみたいです。
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