ジャンル | サスペンス・スリラー |
おすすめ度 | |
読みやすさ | 中級 |
一言で”怖い”と言っても色々な怖さがある。
見えないものが見える系の怖さ、不気味なものが襲い掛かってくる怖さ…この本の怖さは人の心の怖さだと思う。今日紹介する1冊は、文句なしに面白いスリラー。血が飛び散ったりとかそういうグロテスクさはないんですが、人の心の中や閉塞感にゾッとするけれど読む手が止まらないそんな本です。引き込まれます。
<あらすじ>
ロンドンの豪邸を思いがけず相続することになったLibby。フランスでホームレス生活を送るシングルマザーのLucy、そしてこの豪邸で30年ほど前に暮らしていた少年Henry、この3名の視点で物語は描かれます。かつてこの豪邸には裕福な一家が住んでいたのですが、ある人物たちが居候を始めたことで運命は狂い、悲惨な結末を辿ることになったことが徐々に明らかになります。豪邸の屋根裏に潜むのは誰なのか、そして誰が語ることが真実なのか。
豪邸で起こった悲惨な出来事は、突飛すぎずいかにもありそうな出来事で、日本でも最近話題になったカルト的な物を感じさせます。身近で起こり得りそうなことだけに、怖さがひとしお。そしてうっすら予想していた展開を裏切るようなひねりに、唸らされました。一気読みさせられる面白さです。
この本が憎いのは、しっかり2巻に謎を持ち越していること。
たまたま続刊 The Family Remains を紀伊國屋の洋書バーゲンで買っていたのですが、買ってた自分に快哉を叫びました。今、続刊読んでいるところですが、最初から不気味!”Remains”の意味を考えるとまた怖い…!もし興味を持たれた方は、2巻続けて読むことを前提にしておいた方が良いです。
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