読んでよかった度 5/5
手元に置きたい度 4/5
分かりやすい度 4/5
読了にかかる時間 3/5
私は全くミニマリストではないのですが、リモートワークが導入されて以降、今まで必要だった仕事用服を着る機会が急になくなったりして、「服がありすぎだな、何とか整理したいな」と思うようになりました。
そんな時出会ったのが、コートニー・カーヴァーさんの「もう、服は買わない」。
副題に「Project333」とあり、これが原題になります。
著者は、アメリカの作家、ミニマリストです。2006年に多発性硬化症の診断を下されたことをきっかけに、自分の生き方を見直し、2010年、シンプルな生活を提案するブログ“2010年、シンプルな生活を提案するブログ“Be More with Less”を開設。ミニマリスト関連のブログで世界中で人気になりました。
この本の良いところは、ミニマリスト本にありがちな「とにかく捨てましょう」という語調ではないところ。Project333という名の通り、333個の物で生活するという挑戦について書かれているのですが、整理整頓や片付けの本というよりもむしろ、自分らしく生きるために、物を求めてしまう不安な気持ちとどう向き合い、どんな人生を生きたいかを見つめなおすことの大切さを説いた本です。
もちろん買い物欲を制御する手法についても書かれていますが、むしろ私は著者の生き方・考え方に感銘を受けました。
是非、いろんな方に手に取ってほしい一冊です。
余談ですが、こういう邦訳本は”文章の独特な癖”(突然、口語になってよく分からないジョークが交えられたり)があったりするのですが、この本は翻訳をされている方のセンスがいいのか、原語が英語ということを忘れて読んでいられる自然さがあります。
翻訳者は栗木さつきさんという方。この本の他にも「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」など色々な実用書を翻訳されています。
翻訳者に注目したことはあまりなかったのですが、英語学習者として日本語と英語を駆使する翻訳家の方の存在もとても気になるので、他の本も機会があれば読んでみたいと思います。 →栗木さつきさんの翻訳本一覧